最近では、市販カラーの種類も増えて自宅でセルフカラーをする人も増えましたよね。
以前はクリームタイプしかありませんでした。
今は、クリーム・泡・ムース・トリートメントなど様々な種類の市販カラーがありますよね。
手軽な市販カラーですが、薬剤ですので髪の毛への負担はあります。
実際買う時にどんなタイプを選べばいいのか、明るさや色はどれが良いのか、それぞれの薬の特徴・ダメージ・手軽さに分けて解説していきます。
【ダメージ・手軽さ別にまとめ】市販カラーそれぞれの特徴!向いている髪質も一緒にご紹介します!
ダメージ・色持ち・手軽さについて、わかりやすいように表にしてみました。
その中でも特に注目したのがダメージについてです。
こちらの表はダメージが出やすい順番にまとめてあります。
ダメージの判断は「アルカリ濃度(PH)」を基準にしました。
ダメージ | 色持ち | 手軽さ | |
泡(ムース)タイプ | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
クリームタイプ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
マニキュア | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ |
カラーシャンプー | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ |
カラートリートメント | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ |
ヘナ | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ |
圧倒的にダメージが出やすいのは、泡(ムース)タイプの市販カラーです。
数年前から流行り始め、クリームよりも塗りやすく簡単に染められる!と愛用されている人も多いのではないでしょうか。
下の図は身の回りの物と薬をPH(アルカリ性・酸性などを数字を表したもの)で比べたものです。
(出典:DEMI)
クリームタイプのカラー剤がPH10〜11でアルカリ性、髪の毛の脱色力が強いブリーチ剤がPH12のアルカリ性です。
図には書いてありませんが、泡カラーのPHは11〜11.5のアルカリ性です。
クリームタイプのものよりもアルカリが強く、ブリーチ剤とほぼ同じ位の強さの薬なんですよ。
かなり強い薬だという事がイメージできるかと思います。
泡(ムース)タイプの特徴!
泡(ムース)タイプのカラー剤の最大の特徴は、手軽に使える事です。
ただ、他のどのタイプの薬よりもダメージレベルが高いんですね。
クリームタイプのカラー剤にくらべて、泡(ムース)カラーは髪の毛にあまり密着しません。
少ない接着面でしっかり染まるように薬を強めているんですね。
泡(ムース)タイプのカラー剤は基本的ないろんな髪の毛に対応します。
黒髪 | 白髪 | 硬い髪 | 柔らかい髪 | |
泡(ムース)タイプ | ○ | ○ | △ | ◎ |
ただ、硬い髪の毛の人はちょっと注意が必要です。
泡(ムース)タイプは、髪の毛への密着度がやや低めです。
硬い髪の毛の人、特に短い髪の毛の人は薬が弾かれてしまう可能性があります。
硬い髪の毛の白髪の人も同じです。
もみあげや顔周りの短くて硬い髪の毛は、薬が密着しにくく染まりにくい傾向があります。
顔周りの短い髪の毛を染める場合は、キッチンペーパーやクッキングシートなどを貼り付けて髪の毛が浮いてこないように押さえてあげるといいですよ!
泡(ムース)タイプを使う時の注意点
パッケージやCMはでは、頭皮をもみながら泡立てているイメージがありますよね。
ムラにならないように全体に泡をのせるのは大切ですが、シャンプーするように揉み込んだりするとかえってダメージになってしまうのでやめてくださいね♪
泡(ムース)カラーが髪の毛につくと、アルカリ成分に反応し始め髪表面のキューティクルが開きます。(※図1参照)
図1
こんな風に表面のキューティクルが開いた髪の毛は、とても繊細で傷みやすいです。
必要以上に揉み込んだり泡立てたりしないように気をつけましょうね♪
クリームタイプの特徴!
クリームタイプのカラー剤は、密着しやすく他のどのカラー剤よりも染まりやすいのが特徴です。
その反面、塗り残しやすくムラになる可能性が高いです。
クリームタイプは、比較的どんな髪の毛でも使いやすいカラー剤です。
黒髪 | 白髪 | 硬い髪 | 柔らかい髪 | |
クリームタイプ | △ | ◎ | ○ | ○ |
黒髪を△にしたのにはちゃんと理由があります。
初めてのカラーの人や、特に長い黒髪の人はかなりムラになりやすいです。
カラー剤は体温に反応するので、根本に近づくにつれ体温の影響を受け薬が反応しやすくなります。
反対に毛先になればなるほど、体温の影響を受けにくく薬の反応が悪くなります。
結果的に【根本は明るく、毛先は黒いまま】という失敗例が非常に多いです。
初めて染める方、中でも長い黒髪の方は以下の注意点に気をつけてください♪
クリームタイプを使う時の注意点
クリームタイプを使う時は、必ず体温の低い所から塗り始めましょう。
特に体温が低いのは、この三箇所です。
体温が高い所がそまりやすく、体温が低い所は染まりにくいです。
「ふじびたい」は聞き慣れない言葉かもしれませんが、額の真ん中にある、ちょこっと出っ張った所のことです。
富士額(ふじびたい)を塗る時に気をつけないといけないのが、こめかみです。
富士額は染まりにくいですがこめかみは染まりやすいので一緒に塗ってしまわないように気をつけましょう。
クリームタイプでもう1つ気をつけないといけないことがあります。
必ずブロッキングをしてから薬を塗り始めましょう。
ブロッキングの図挿入
染まりにくい襟足やもみあげから塗り始め、下から上に向かって塗るようにしましょう♪
カラートリートメント・カラーシャンプーの特徴!
カラートリートメント・カラーシャンプーの最大の特徴は、使うたびに徐々に染まっていくという事ですね。
ドラッグストアでもネットでも本当にいろんな種類のものが販売しています。
白髪を染める用のものや、ブリーチした髪の毛に使うもの、カラーの退色を防ぐために使うものなど種類がたくさんあります。
ここで説明するのは、白髪を染めたりするタイプのカラーシャンプーやカラートリートメントです。
日々のシャンプーやトリートメントを専用の商品に変えるだけなので、1番手軽に使う事ができます。
染料は入っていますが、アルカリ剤ではないので髪への負担もほぼありません。
黒髪 | 白髪 | 硬い髪 | 柔らかい髪 | |
カラートリートメント(シャンプー) | ☓ | ◎ | ◎ | ◎ |
白髪や明るい髪の毛に色を入れることはできますが、黒髪を染める事はできません。
髪の毛を明るくする成分が入っていないので、黒髪に入れてもほぼ何もかわりません。
カラートリートメントとは言ってもノーマルのトリートメントに比べると補修力は下がるので、黒髪の方や暗めの髪色の方は普通のトリートメントを使うことをおすすめします♪
カラートリートメント・カラーシャンプーを使う時の注意点
カラートリートメント・カラーシャンプーは1回では染まりません。
毎日使うことで少しずつ染める事ができます。
「明日までにどうしても染めたい!」という時には不向きです。
1回では染まらないので、急いでいる場合は他のタイプのカラー剤を選びましょう♪
また、特に注意が必要なのが「利尻昆布」のシャンプーやトリートメントです。
確かに他の商品に比べてよく染まる印象はあります。
ただ、染まりすぎて暗くなりすぎてしまう事もよくあるんです。
「利尻昆布で染めたら暗くなりすぎてしまったのでなんとかしてほしい」というお客様が年に何名かいらっしゃいます。
大体の場合暗くなりすぎてカラーではどうにもできないことが多いです。
もし暗くなりすぎてしまった場合はどうするの?
・染めたての場合、すぐにシャンプーを2〜3回する
・コンディショナーなどはせず、数日間シャンプーのみにする
(パサツキが気になる場合は洗い流さないタイプのトリートメントをつけましょう)
基本的に染まりすぎてしまったときは、ブリーチなどで脱色するか脱染剤を呼ばれる染料をとる薬剤をつかわなくてはいけません。
ブリーチも脱染剤も髪には大きな負担になります。
毛先は長く時間を置きすぎない、毛先につけるのは2回に1回にするなど工夫して使っていきましょう♪
ヘアマニキュアの特徴!
ヘアマニキュアの特徴は、髪の表面のコーティングしながら色を着色できる事です。
髪への負担は非常に少ないですが、すぐに色落ちしてしまいます。
酸性カラーなので髪への負担は少ない反面、キューティクルを開かずに髪の毛の表面に着色していくので内部までカラー剤が浸透しないんですね。
日々のシャンプーで色落ちしたり、白いタオルやまくらに色移りしてしまう事があります。
ヘアマニキュアは髪の毛を明るくすることができません。
基本的には白髪や脱色した髪の毛を染める事に特化したカラー剤なので、黒髪の人は髪を染める事ができません。
黒髪 | 白髪 | 硬い髪 | 柔らかい髪 | |
ヘアマニキュア | ☓ | ◎ | ◎ | ◎ |
黒髪の人は染めることはできませんが、ヘアマニキュアで髪の毛の表面をコーティングすることができるのでツヤツヤに見せたい時に使うこともあります。
ヘアマニキュアを使う時の注意点
ヘアマニキュアは、頭皮や顔周りなどのおでこについてしまうとしばらく落ちません。
顔周りなどにワセリンやニベアなどの油が多めのクリームを塗っておけば、万が一ついてしまったときもすぐに拭き取れば簡単に落とせます。
また、時間を置く時にラップを巻く際も注意が必要です。
ぴったりとラップを巻いてしまうと、頭皮や首や顔周りに薬がついてしまいます。
ラップを巻く際は、押しつぶさないようにふわっと巻くようにしましょう。
また、シャンプーの前にドライヤーの冷風で冷やスト色が定着しやすくなるのでおすすめですよ♪
なぜシャンプー前に冷やすといいの?
ヘアマニキュアに含まれる水分で、多少キューティクルが開きます。
ドライヤーの冷風で冷やすことでキューティクルが閉じて、ヘアマニキュアの成分を閉じ込める事ができます。
美容室でもヘアマニキュアで染める時は、シャンプー前に冷風で冷やしています♪
色持ちが悪くて悩んでいる方はぜひ1度試してみてくださいね!
ヘナの特徴!
ヘナは、ヘンナというハーブの葉っぱを原料にしてつくられたカラー剤です。
最大の特徴は、植物由来なので髪への負担がほぼありません。
ヘナもカラートリートメントやヘアマニキュアと同様に黒髪は染める事はできません。
黒髪 | 白髪 | 硬い髪 | 柔らかい髪 | |
ヘナ | ☓ | ◎ | ○ | ◎ |
ヘナは使えば使うほど髪の毛にハリ・コシがでてきますので、特に向いているのは白髪や柔らかい髪の毛ですね。
ヘナを使う時の注意点
ヘナは、基本的に美容室やヘナ専門店で使われている事が多いです。
市販されている物の中には、質の悪いヘナも出回っているので購入の際は【ヘナ100%】の物を選ぶようにしましょう。
ヘナは、粉末状のものがほとんどです。
中には液体のヘナが販売されている事もありますが、「ジアミン」などの化学染料がはいっている物が多いです。
液体のものは「ヘナ100%ではない」とおぼえておくと安心ですよ♪
また、ヘナは染まるまでに2〜3時間かかります。
理由は、化学物質がはいっていないからです。
ヘナに含まれる色素が髪の毛内部のタンパク質とくっついて染まります。
タンパク質とくっつくまでに時間がかかるんですね。
「10分で染まる!」というようなものも、化学染料が入っているのでヘナ100%ではありません。
通販や店頭でも販売されていますが、裏の成分に「ヘナ」以外のものが書いてある場合は購入を避けるようにしてくださいね。
市販カラーを選ぶ時のコツ〜明るさ編〜
一般的に「数字が小さいもの=明るい」という作りになっているメーカーが多いですね。
色味によっては、得意な明るさが変わります。
市販カラーを選ぶ時に、明るさで気をつけてほしい事は下の2つです。
暗くしたい時は、1個明るい色。
明るくしたい時は、1個暗い色。
あくまでも失敗が少ない選び方です。
明るくなりすぎた、暗くなりすぎた場合は直すのが非常に難しいです。
市販カラーの場合は、美容室でのカラーのように色んな色を混ぜて染める事はできません。
「もう少し明るくしたい」「もう少し暗くしたい」などの微調整はほぼ不可能です。
特に、「暗くなりすぎた」場合は、最悪ブリーチなどで脱色しないと色を変えることができなくなります。
暗めに染める時は、暗すぎる薬を選ばないように気をつけてくださいね♪
ただし「真っ黒」に染める場合は暗い薬を選んだほうが良いですよ!
また、毛質によっても薬の反応の仕方が変わります。
髪が細い人は、染まりやすい。
髪が太い人は、染まりにくい。
自分の髪の毛が太いのか細いのか判断が難しいと思いますので、1度染めてみて1つずつ明るくしたり、暗くしたりしてあげるといいですね♪
メーカーによって染める力もバラバラですので、できたら同じメーカーのものを選ぶほうが失敗が少ないです。
市販カラーを選ぶ時のコツ〜色編〜
市販カラーで染めたことがある人はわかると思いますが、「希望の色にならない」という経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか?
実は、色によって得意な明るさが違うんです。
各色ごとの得意な明るさ
・アッシュ:やや暗め
→明るすぎると、ただの金髪になります。
・赤、ピンク:真ん中くらいの明るさ
→暗すぎると赤が強すぎる、明るいとオレンジっぽくなります。
・ベージュ:やや明るめ
→市販カラーのベージュは少しオレンジっぽい色が配合されています。
暗めにするとオレンジが強くでてしまい、きれいなベージュになりにくいです。
市販カラーで1番失敗が多いのが「アッシュ」です。
『市販のアッシュで染めたのにただの金髪になってしまった』という声をよく聞きます。
インスタグラムで見かけるような透明感のある明るいアッシュはブリーチをしている事が多いです。
また、自分でブリーチして市販カラーでアッシュを入れると、グリーンっぽい色になってしまいます。
明るくて、透明感があって、くすみのあるアッシュやグレーはサロンでお願いしましょう。
また『ブラウン』ですが、基本的に『ブラウン』は赤っぽい色が配合されています。
「ライトブラウン」「ハニーブラウン」「マロンブラウン」など「〜ブラウン」と名前がついている時は赤っぽくなりやすいので、赤っぽい・オレンジっぽい色が嫌いな人は選ばないようにしましょうね。
「ハニーベージュ」「マロンベージュ」など「〜ベージュ」と名前がついているものは、黄色っぽい色になりやすいです。
「ピンクベージュ」は、ピンクと名前がついていますがベージュのほうが強いのであまりピンクっぽい色にはなりません。
よりピンクっぽく染めたいのであれば、「ピンクブラウン」のほうがピンクっぽい色になりますよ♪
まとめ:市販カラーで1番手軽なのは「泡カラー」・しっかり染まるのは「クリーム」
何を1番に優先したいのかで、選ぶ基準が変わってきます。
ダメージ | 色持ち | 手軽さ | |
泡(ムース)タイプ | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
クリームタイプ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
マニキュア | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ |
カラーシャンプー | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ |
カラートリートメント | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ |
ヘナ | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ |
ダメージを最小限に抑えたい時
ヘナタイプ
手軽にぱぱっと染めたい時
泡(ムース)タイプ
白髪をしっかり染めたい時
クリームタイプ
市販カラーと美容室でのカラーの違いをまとめましたので気になる方はコチラもどうぞ♪
-
【美容師の本音を暴露】市販カラーと美容院でのカラーの大きな違い!
続きを見る