『なかなか美容院に行く時間がない!!』とお困りの方も多いかと思います。
そんな時に便利なのが【市販カラー】ですよね。
市販カラーと美容室でのカラーは、様々な違いはありますが大きく違うのはたった1つだけです。
「たった一つだけか。」と思うかもしれませんが、このたった1つの違いこそが髪へのダメージに大きく影響します。
絶対に市販カラーで染めないでください!と言うつもりはありません。
ただ、髪への影響を知ってほしい。
たった1回の市販カラーがどんな影響を与えるのか知った上で染めてほしい。
そんな思いをこめて記事をまとめましたので、最後までお付き合いください♪
【市販カラーと美容室でのカラー】大きな違いは配合されている成分
まずはじめに、カラー剤はアルカリ性です。
そして髪の毛は弱酸性です。
弱酸性の髪の毛に、アルカリ性のカラー剤をつけたらダメージになります。
市販カラーも美容室でのカラーも同じアルカリ性です。
では何が違うのか?
ずばり!
使っているアルカリ剤がちがいます
アルカリ剤 | 使用しているアルカリ剤の特徴 | |
市販カラー | モノエタノールアミン | 不揮発性 |
美容室でのカラー | アンモニア | 揮発性 |
揮発性とは液体が気体になりやすい性質のこと、
不揮発性はその逆で、気体にならないことです。
身近なもので例えると、水は蒸発するので『揮発性』です。
シャンプーやトリートメントは、蒸発しないので『不揮発性』です。
なぜ、市販カラーは不揮発性のアルカリ剤を使っているのか?
不揮発性のアルカリ剤(モノエタノールアミン)を使用する最大の目的は「薬の反応を遅くする」為です。
市販カラーは素人が1人で薬を塗るのを前提として作られています。
薬の反応が早いと最初に塗った所と最後に塗った所で色のムラができやすくなります。
色ムラを防ぐために、薬の反応を遅くする成分が配合されているんですね。
不揮発性のアルカリ剤は、どうして傷むの?
市販カラーは美容室でのカラーと違い、鼻につくようなツーンとするニオイがしません。
なぜなら、薬の成分が蒸発していないからです。
その分、アルカリ剤が髪の中に残りやすくなっています。
アルカリ剤が髪の中に残っていると、常に髪の毛は傷み続けるんです。
美容室でのカラーは染める時はダメージを与えてしまいますが、揮発するから傷みにくいだけではなくアルカリ除去剤を使ったり、シャンプーの前にしっかり揉み込んだりしているので、アルカリ剤が残りにくくなっています。
美容師の本音を暴露!市販カラーをしてほしくない本当の理由
私だけでなく、市販カラーをしてほしくないと思っている美容師はたくさんいます。
売上が落ちるから?
お店に来てくれなくなるから?
いいえ。
実はちゃんとした理由があるんです。
市販カラーを勧めない理由その1:その後の施術が難しくなる
髪の毛に薬剤をつける上で、大きな判断基準となるのが「髪の毛の履歴」です。
髪の毛の履歴とは「パーマやカラーなどのメニュー」「何色にしたのか」「どれくらい前なのか」という、髪の毛の経歴のようなものなんですね。
特にカラーの場合は、前回何色にしたのかがものすごく重要になります。
例えば『前回ピンクブラウンにしたけど今回はアッシュベージュにしたい』という希望の場合、ピンクとアッシュは真逆の色なので、まずピンク色を除去しなければなりません。
これが市販カラーの場合だと「アンティークラベンダー」とか「ピンキッシュコーラル」とか「ショコラブラウン」とか可愛らしい名前で販売されているので、それが実際何色なのかがわかりにくいんです。
メーカーによっても色の特徴はありますし、どれくらいの明るさの薬なのかもわかりにくいんですよね。
白髪染めの場合は○番という感じに明るさに番号がついているので検索すればまだわかりますが、おしゃれ染めは多種多様すぎて判断がとても難しいんです。
美容室で使っているカラー剤も様々なメーカーから出ていますが、特徴はあるけれど似たような作りになっているのでそこまでの違いはないんですね。
また、お店では数種類のカラー剤を使っているのでそれぞれの薬の特性を美容師自身が理解している事も多いです。
髪の履歴がわからなくなるので、パーマのかかりが悪いとか、色がキレイに入らなかったなんてこともあります。
いくらムラになりにくい仕様になっていても、ちゃんと染まってる所と染まっていない所があるとそれだけで薬の反応が全然変わってきてしまうんですね。
その時はよくても、後々希望のヘアスタイルから遠ざかってしまう可能性があります。
市販カラーを勧めない理由その2:髪のダメージに合わせられない
市販カラーは、根本から毛先まで同じ薬で塗る事が多いですよね。
根本と毛先では、ダメージのレベルが違います。
同じ薬で染めてしまうと毛先だけ傷んでしまうんです。
また、カラーで染める時は『酸素』の力が必要です。
使った事がある人はわかると思いますが、カラー剤を使う時は2種類の薬を混ぜて使います。
カラー剤のぞれぞれの中身を簡単に説明すると「色素の素」と「酸素の水」に分けられます。
酸素の量は、日本では最大6%までと決められていて、市販カラーの酸素量は全て6%で作られています。
美容室でのカラーは、ダメージに合わせて1%〜6%で使い分けをしています。
健康な髪の毛であれば6%で問題ありませんが、何度もカラーを繰り返している髪の毛には負担がかかりすぎてしまいます。
まとめ:美容師が市販カラーで染めてほしくない本当の理由
市販カラーと美容室でのカラーの大きな違いは、使われているアルカリ剤の違いでした!
アルカリ剤 | 使用しているアルカリ剤の特徴 | |
市販カラー | モノエタノールアミン | 不揮発性 |
美容室でのカラー | アンモニア | 揮発性 |
市販カラーに使われているアルカリ剤は不揮発性のものです。
不揮発性のモノエタノールアミンの役割
・薬の反応を遅らせる
※薬の反応を遅らせることで、1人で塗っても色ムラになりにくくなる
市販のカラーで染めると髪の履歴がわかりにくくなり、希望のスタイルになりにくくなってしまうので美容師としては避けてもらいたいのが本音です。
それでも、なかなか美容室に行く時間がないなど市販カラーで染めざるをえない人もたくさんいますよね。
市販カラーで染める時のポイントをまとめました。
これから染めようと思っている人は、染める前にぜひチェックしてみてください♪
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